福岡県の観光名所として覚えておきたいのが大牟田市にある世界遺産「三池炭鉱」です。既に閉山されている炭鉱では明治時代以降の日本の近代化と発展を支えてきた歴史的な建物や設備を見学する事ができます。
歴史とかそういうのはちょっと興味ないかな…。という方でも、見て回るだけでなんだか色々な感情にさせてくれる、感慨深さのある名所です。また、ここ数年は近代化産業遺産を巡る旅行が小さなブームになっているという傾向から、改めて注目を集めています。
今回はそんな「三池炭鉱」について、歴史や見どころを詳しくご紹介していきます。
ブーム到来!?近代化産業遺産とは
近代化産業遺産とは、幕末から第二次世界大戦の間に建設され、日本の近代化と発展に貢献した産業や交通、土木などに関わる建造物の事を指します。
日本の建築技法と西洋の技術が融合した近代的な建築物が多いのが特徴で、有名なものであれば東京駅の建屋や、北海道・小樽運河の倉庫群、富山県・黒部ダム、長崎県・軍艦島などがあります。
少しモダンでノスタルジックな雰囲気のある建築物が多い事から、ここ数年、近代化産業遺産を巡る旅行が小さなブームになっているようです。
日本の発展を支えた近代化産業遺産「三池炭鉱」の歴史について
三池炭鉱は福岡県大牟田市と熊本県荒尾市を跨ぐ地域にあった炭鉱です。採掘は江戸時代から行われていましたが、日本の近代化を目指すにあたり1873年(明治時代)に官営事業となりました。
石炭の引き上げに蒸気動力を使用するなど、西洋の技術が導入され、日本の近代化の先駆けと言われていた炭鉱です。1889年には官営から三井財閥の経営へと変わり、新たに坑口が開かれるなどして、長きにわたり日本の近代化を支えてきた存在です。
しかし1997年、燃料の需要が石炭から石油へとシフトする時代の流れを受け、閉山となりました。戦前には周辺の県の囚人労働をさせていたり、開山直後から落盤が頻発していた記録が残っていたり、更には大きな火災や爆発事故がその歴史の中で3度も起きた事が知られています。
敷地内には数多くの炭鉱に関わる歴史的な建造物等が残っており、前述の近代化産業遺産ブームの影響も受け、現在は観光地として注目されています。
2015年に世界遺産に登録!三池炭鉱観光で絶対に外せないのは「宮原坑」
1997年に閉山してからおよそ20年後の2015年7月に、三池炭鉱は世界遺産に登録されました。一口に三池炭鉱と言っても、その敷地は県をまたぐほどの広さなので、どこにスポットをあてれば良いのか悩みどころですよね。
そんな広々とした三池炭鉱で絶対に見ておきたいのが「宮原坑」です。こちらでは日本最古の鋼鉄製の竪坑櫓やレンガ造りの巻揚機室などを見ることができます。鋼鉄製の櫓は当時大変貴重だったようで、現在も立派にそびえ立つその姿は、今にも動き出しそうな迫力も感じられます。
レンガ造りの巻上機室はイギリスのレンガ建築の方式を取り入れたもので、赤いレンガからは異国情緒が漂います。巻上機室の中には当時最先端と言われていた蒸気動力を使った巻上機も目にする事ができるので、外からだけでなく中まで入ってじっくり見学しましょう。
歴史に思いを馳せながら、貴重な建造物の見学を楽しんで!
今回は福岡県にある世界遺産「三池炭鉱」をご紹介しました。歴史についてなど詳しくご紹介しましたが、ただ単に見て回るだけでも、西洋風の建物がモダンで素敵な雰囲気があるので、あまり深く考えずに楽しむ事もできますよ!
しかしながら、やはり炭鉱の長い歴史を少しだけでも知っていく事で、その理解は更に深くなるでしょう。福岡県にお越しの際は、是非観光スケジュールの候補に入れみてはいかがでしょうか。
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