福岡だけでなく日本中を盛り上げてきた大相撲九州場所。賑わう「福岡博多屋台」。そして、今も親しまれる「おきゅうと」。

(大相撲九州場所会場 福岡国際センター)

大相撲は昭和32年(1957)から福岡市でも本場所が行われるようになりました。翌年、名古屋でも本場所が行われるようになり大相撲本場所は以降、年に6回開催されることになります。その本場所での名取組、名勝負が幾多ある中でもこれはという、特に印象に、また記録に残る大一番が九州場所にもあります。

昭和63年(1988)の大相撲九州場所の千秋楽。昭和56年(1981)から同一場所の連続優勝を延ばし続け、最多記録の8連覇を前日に決めていた横綱千代の富士。またこの時、千代の富士は53連勝で次はどこまでこの連勝を延ばすのかに注目が集まる中、千秋楽で対戦したのが横綱の大乃国でした。取り組みは、千代の富士の相撲をビデオで研究し尽くしていたという大乃国が勝ち、連勝はストップ。これが昭和としては最後の大一番となりました。

元大関・貴ノ花の長男の若乃花と次男・貴乃花の花田兄弟が人気になり「若貴ブーム」起こっていた平成7年(1995)の九州場所。貴乃花は横綱になって6場所目、若乃花も大関になっていました。ともに12勝3敗で並び優勝決定戦を迎えることになります。それまで同門(双子山部屋)の本割での取り組みは組まれないたことになってきましたが、この場所で史上初の本場所の土俵での兄弟による対戦が実現しました。取り組みは若乃花が貴乃花を下し、自身の2度目の優勝を果たしました。

平成22年(2010)の九州場所2日目、春場所から全勝優勝を続けて、前日まで63連勝中の横綱白鵬を前頭筆頭の稀勢の里が止めます。(白鵬がこの場所の7日目まで勝ち続ければ双葉山の成した69連勝に並ぶはずで、そのことにも期待が高まり始めていました)その後、稀勢の里を下して14勝1敗となった豊ノ島と白鵬の、両者14勝1敗での優勝決定戦となりましたが、その千秋楽では白鵬が豊ノ島を破り、自身初の5場所連続、17回目の優勝を果たしました。

 

昭和4554年(19701979)頃には400軒を超えていた福岡博多の屋台街。

昭和21年頃、戦後の混乱の中福岡博多でも道路上などで簡易な仮設店舗を設置して行う屋台営業が始まりました。昭和40年代、最盛期には、屋台の数は400軒以上となりますが、同時に衛生面に加え、通行阻害や騒音、名義貸しなどの課題が指摘され、都心の一等地であるにもかかわらず安価な使用料など、市民の不満が高まることにもなりました。

平成7年の県議会において、県警本部長から『屋台営業の新規参入は原則認めない』と発言があり「原則一代限り」の方針が示されます。(このときの屋台数は約220軒)そして翌平成8年、福岡市では「福岡市屋台問題研究会」が設置され、社会問題化していた屋台のあり方について議論されることになります。

そして、市では「屋台問題研究会」での議論を踏まえ、平成12年に「福岡市屋台指導要綱」を策定するなど適正化に向けた取組を進めましたが、依然として様々な課題が残りました。

その後も屋台は年々減少し、平成22年には約150軒となり将来的には屋台の灯が消えることが確実視されていました。そこで福岡市では、屋台が福岡のまちと共生する存在となることを目指し、平成25年7月に「福岡市屋台基本条例」制定されました。(全国初)

平成28年9月には「屋台公募」が初めて実施されることになり、福岡市屋台選定委員会において、ルールの遵守や衛生面への配慮、地域や同業者との積極的な連携に向けた取組な、さまざまな視点から新規屋台が選考されることになり、第1回公募で平成29年4月以降、屋台23軒が順次営業開始。第2回公募では令和元年8月以降、屋台9軒が順次営業開始します。

そして、新規屋台の中には、ラーメンやおでんを提供するオーソドックスな屋台だけでなく、フランス料理やジビエ料理など今までなかった個性豊かなタイプの屋台も誕生しており、今は103軒(令和2年4月現在)の屋台が福岡市内で営業をしています。

 

福岡には、江戸時代から食べられている「おきゅうと」があります。

「おきゅうと」の主な材料は海で採れるエゴノリです。博多では昔、飢饉(ききん)のときには海草や野草など食べられるものは何でも食べたといいます。ミネラルや食物繊維たっぷりな食べ物で「おきゅうとは多くの人の命を救った」いわれるようになったことから、その名は「お救人」に由来するとの説があります。

江戸時代の「筑前国産物帳」では「うけうと」の名称で紹介されています。市毎朝に行商人が売り歩き、専門の製造卸が1997年ごろに約10店もあったようです。

(写真提供:福岡市)

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