福岡・夏の風物詩!博多祇園山笠と戸畑祇園山笠へ行こう

私達の住む日本は、お祭りの多い国、お祭りが文化として強く根付いている国のひとつ。地域によって特徴のあるお祭りが一年を通して行われ、多くの観光客がいつもとは違う街の雰囲気を楽しもうと訪れます。

その地に伝わる伝統と文化を色濃く残す地方のお祭りはぜひ訪れてみたいもののひとつ。福岡県にも脈々と受け継がれてきた「福岡三大祭」が存在します。今回は三大祭の中でも特に人気の高い「博多祇園山笠」と「戸畑祇園大山笠」に注目。

お祭りの多い福岡県でも特に異彩を放つ2つのお祭りを余す所なくご紹介しましょう。

7月の博多はお祭りで熱い!

その土地土着の神様や神社へ信仰心と深く関わりのあるお祭り。「祀る」という言葉が「祭り」へと変化したと言われる通り、神様への感謝の気持ちを表現したりお祈りをしたりするために古くから行われて来ました。

お祭りの時期に決まりはなく、その土地によって春に行われるものもあれば秋・冬に行われるものもあります。福岡県に住む人にとって、お祭りの季節といえば夏。福岡三大祭はすべて7月に行われます。

暑くなり始める少し前、夏を呼び込むように熱く勇ましく行われるのが博多祇園山笠と戸畑祇園大山笠です。

ユネスコ無形文化遺産に登録されている

福岡の熱いお祭り、博多祇園山笠と戸畑祇園大山笠の2つはユネスコ無形文化遺産に登録されています。ユネスコ無形文化遺産とはその国、地域の伝承や伝統など形はなくとも受け継がれてきた物を保護するために作られた事業です。

長い歴史を持つ日本はユネスコ無形文化遺産が世界で3番目に多い国。和食、和紙、歌舞伎、人形浄瑠璃などと並び2016年に登録されたのが「山・鉾・屋台行事」です。この「山・鉾・屋台行事」を構成する33件のお祭りに博多祇園山笠と戸畑祇園大山笠も含まれているのです。正に世界に認められた伝統あるお祭りというわけですね。

博多祇園山笠とは?

博多祇園山笠は毎年7月1日から15日にかけて行われるお祭りです。福岡のお祭りの月といえる7月、先陣を切って行われるのがこの博多祇園山笠です。

博多の総鎮守である櫛田神社(くしだじんじゃ)の神事であり、なんと770年もの歴史を誇ります。地元の人々からは「お櫛田さん」の相性で呼ばれる櫛田神社にお祀りされているのは大幡大神(櫛田大神)、天照皇大神、素盞嗚大神の三柱の神様。境内には博多祇園山笠の主役といえる飾り山が奉納されています。

博多祇園山笠のメインはやはりこの山笠にあります。他の地域ではお神輿、山車と呼ばれる山笠。お祭りの最初は街のあちこちに大きな飾り山が飾られる静の時間、その後飾り山よりもコンパクトな「舁き山」が博多の街を駆け巡る動の時間となります。

豪華絢爛で10メートル以上にも及ぶ飾り山も、20名の男性が担ぐ舁き山もどちらも見逃せません。

飾り山の豪華さに驚き!

お祭りの初日から14日間に渡り福岡市内各所に飾られる飾り山。その数は14基あり、それぞれ異なるテーマを持つ人形が飾り山の表を彩ります。

飾り山の表は歴史や神話などから選ばれることが多いのですが、見送りと呼ばれる裏側はアニメや有名人など誰もがとっつきやすいテーマが選ばれています。毎年この飾り山のテーマは話題に上るので、ぜひチェックしましょう。

舁き山は迫力満点!

山笠が動き出すのは7月10日から。山笠はそれぞれが「流れ」と呼ばれる博多祇園山笠限定の自治区に別れ、異なる場所からスタートし違うルートを走ります。この流れは全部で7つあり、「七流」と呼ばれています。

10日以降は毎日動く山笠が見られます。10日はそれぞれの地区を走り、11日は他の地区へ、12日にはクライマックスの「追い山」と呼ばれる速さを競う神事の予行演習が、13日にはすべての山笠が一堂に会する「集団山見せ」が、14日には最終調整の「流舁き」が行われます。

5日に及ぶ舁き山のクライマックスは15日の午前5時開始の「追い山」。それぞれの山笠は5分間隔で出発し、同じルートを走り抜けます。舁き山見学は博多祇園山笠のメイン。山笠を清めるために巻かれる勢水(きおいみず)や舁き手の大きな掛け声、山笠の揺れる様子などに圧倒されること間違いなしです。

戸畑祇園山笠とは?

博多祇園山笠が終わった後も、福岡の熱い夏は終わりません。7月の第4土曜日から3日間に渡り北九州市で行われるのが「戸畑祇園山笠」です。こちらも地元の神様への感謝が発祥となった大事なお祭り。博多祇園山笠ほど長期に渡るお祭りではありませんが、特徴のある山笠が魅力です。

昼と夜で姿を変える山笠!

戸畑祇園山笠も注目はやはり山笠です。昼間は大きな幟のが立てられた華麗な山笠が見られますが、夜になるとその姿が一変。たくさんの提灯がピラミッド型に飾られた提灯山笠へと変貌します。

光り輝く提灯山笠は全部で8基。大人の男性が担ぐ大山笠と、中学生が担ぐ小若山笠が姿を表します。昼と夜の違いを楽しむのも良し、幟山笠から提灯山笠へと姿を変える「姿替え」も大きな見どころです。

暗闇に浮かぶ提灯山笠

高さ10メートルに及ぶ提灯山笠は圧巻の一言。総重量は2.5トンと言われています。8基すべての提灯山笠が揃うのはお祭り2日目の夕方から。戸畑区役所前はお祭りの熱気と期待で満たされ、姿替えの際にはあちこちで大きな歓声が上がります。

オレンジ色の光を放つ提灯山笠の姿は幻想的で美しく、伝統文化の価値を強く感じさせてくれます。

美しいお祭りを見に行こう

博多祇園山笠も戸畑祇園山笠も、どちらも特別な体験ができるお祭りです。福岡で受け継がれてきた伝統を目で見て感じられる2つのお祭りへぜひ出かけてみませんか。一足先に夏の暑さを感じる福岡の旅は心に強く残る思い出となるでしょう。

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