「中古住宅購入・ワンストップリノベーションという考え方
最近よく耳にするワンストップリノベーションですが、よく見てみると曖昧な内容になっている案内が多いように思われます。「中古の戸建住宅・マンション購入からリフォームまたはリノベーション工事までを一貫してサポートするので安心です」と言っているものの、なぜ安心なのかが明確ではありません。聞こえて来るのは「サポートするから安心」ということのみです。マンション購入例がほとんどで戸建に関しての流れを紹介している例があまりありません。そこで、中古の戸建住宅購入の場合を中心にリノベーションについて、リフォームエンジニアとしてお話しさせていただきます。
重要な事は「理想の住まいづくりを実現する」ためにはどうしたらよいのか、どの会社に依頼したら実現できるのか、その会社はどのようにして探すのかです。
住まいづくりを検討し始めた方々の初動は以下の3点が多いようです。
① ネット検索
- に関しては、情報収集が容易にできますが、購入判断するまでには到底至らず、最終的に不動産会社へ依頼するしかありません。
しかしながら、建築士が担当する事はありませんのでリフォーム及びリノベーション工事の提案を受ける事はできませんし、その物件の良し悪しを判断してくれる事もありません。不動産会社は仲介業務なので、建物に関しての補償はなく「買う、買わないの判断はご自身で決断する事になります。
② 住宅総合展示に行く
- に関しては、新築住宅が専門ですので、概ね土地購入+新築を提案される事になります。
新築と違って、リノベーション工事は難しく専門知識・経験が必要とされますので、そのような担当者は住宅総合展示場内にはほとんどいません。結局は不動産会社に行くようになります。
③ 不動産会社に相談する
- に関しては①と同様な結果となります。
如何でしょうか?
この上記内容が、長きに渡っての問題点であり、多くの皆さんが苦い思いをされたにも関わらず、現在も解決することなく悩まれている方々がたくさんいらっしゃるという現状です。
少子高齢化社会は益々進み、昨今のコロナウィルス感染の影響なども含め社会情勢も変わりつつある中、それでもやはり「住まいを持ちたい」という希望を持って計画されている方々のために、実現の可能性が高いのが「ワンストップリノベーション」という考え方です。
ここで、問題点をもう少し深堀りしてみましょう。
建築基準法改定に伴い、リフォーム・リノベーション工事の可否判断はより一層厳格なものとなっています。
見た目において問題が無いように見えても、増築工事を繰り返した物件等は安易に工事できません。ほとんどが違法建築となっている物件が多く、その物件をリフォーム・リノベーション工事しようとすれば、現行法に基づいた是正工事を行う必要があり、一軒家全てを改築工事する事になりますので大掛かりな工事となります。
このパターンのお客様がたいへん多く、計画を断念される方が殆どです。
中古住宅を購入して、理想の住まいづくりを夢みていた方々の希望が一瞬にして消え去る姿を我々は何度も見てきました。しかし、誰の所為でもありませんので、非常に悔しい思いです。事前にわかっていれば、購入判断を誤る事はなかったと思料します。
その他、たくさんの事例はありますが、対策・解決策はやはり専門家に依頼するのが間違いないですし、そうするべきだとお薦めします。
「ワンストップリノベーションの流れとそのメリット」
相談・依頼する会社は後ほど説明するとして、ここでは理想的な進め方とポイントをご説明します。
相談会社との打合せポイントは、どのような「理想の住まい」をつくりたいのか、どのエリアに住みたいのか、自己資金及び借入れの有無等々をできる限り詳細に纏めておく事が重要です。
依頼を受けた会社は、流通している中古住宅物件の中から、依頼事項にマッチした優良物件を探し出し、如何にスピーディーにリフォーム・リノベーション工事計画を顧客提示するかが求められます。
そのためには、より詳細な依頼内容が必要となるわけです。
不動産売買は、買い付けを早く出した方に優先権が生じますので、購入するまで集中する必要があります。
依頼会社より物件案内の連絡が入れば、できるだけ早期に物件確認をしましょう。
依頼を受けた会社は、依頼事項を踏まえた中で情報収集に努め、現地調査やプランニングそして見積り(ここでは概算見積りとなります)までを仕上げます。
現地確認する時間が遅くなればなるほど、優良案件を逃す事になりますし計画案が無駄になる可能性もありますので、購入するまでは短期収集して取組みする事をお薦めします。
物件確認 ⇒ 購入手続き ⇒ 引渡し ⇒ リフォーム会社探し
これが現状の流れになっていますが、「失敗する原因」が多いと前述に説明しました。
物件確認 ⇒ 購入手続き ⇒ 引渡し ⇒ リフォーム・リノベーション工事着手
物件引渡し後に工事着手する事ができる、これがワンストップリノベーションの最大のメリットです。
ワンストップリノベーションであれば、物件確認する際にリフォーム・リノベーション工事計画と資金計画が同時に理解できますので、購入判断がしやすくなります。
また、引渡しまでに1ヶ月~2ヶ月ぐらいはかかります。その間にリフォーム・リノベーション工事内容の詳細打合せもできますので、ストレスもなく時間の無駄にもなりません。
工事着手するまでに全ての工事内容を確認する事ができるため、追加工事発生もなく資金計画も安心という事になります。
ご自身で物件購入からリフォーム・リノベーション工事を探す、依頼する作業は、非常に時間がかかる上にかなりの労力を要します。
楽しみながら進めて行く事が本来の喜びであるはずのマイホーム計画が、苦痛・苦難の連続で、最後には「失敗」の2文字がつく事は絶対に避けなければなりません。
そのためにも、「ワンストップリノベーションという考え方」を是非お薦めします。